2020/05/07
ヘルペスとはウイルスによって小さな水ぶくれができる病気ですが、単純ヘルペスと帯状疱疹の2つがあります。
単純ヘルペスには口唇ヘルペスと性器ヘルペスの2種類があります。どちらもいったん感染すると症状がおさまった後もウイルスが体内に潜んでいて、風邪や疲労、紫外線、胃腸障害、外傷、ストレス、老化、薬などで体の抵抗力や免疫機能が低下すると再発します。
単純ヘルペスの症状が出たら、早い時期に抗ウイルス薬の内服を始めたほうが軽症で済みます。特に再発頻度の高い人は、早くから内服することで次の再発を遅らせる事ができます。
性器ヘルペスを年に6回以上繰り返す人には、抗ウイルス薬を少量継続して飲むことによって再発を抑える再発抑制療法を行います。患者さんの再発を抑えると同時にパートナーへの感染率を下げることがわかっています。ただし再発抑制療法中でも再発することがあります。
帯状疱疹は子供の頃にかかった水ぼうそうのウイルスが原因となって起こります。水ぼうそうがおわった後もウイルスが体に潜んでいて、体の抵抗力が落ちるとウイルスが増殖し、神経を伝わって皮膚に広がり帯状疱疹が起こります。神経を傷つけるためにかゆみや強い痛みを伴います。水ぶくれができる場所は人それぞれですが、顔や体の左右どちらかにでき、神経に沿って帯状に広がります。
治療はまず安静にすることが大事です。体の抵抗力をもどすためにも十分な栄養と睡眠をとるようにします。そしてできるだけ早く抗ウイルス薬による治療を開始します。治療が早いほど軽くて済みます。痛みに対しては鎮痛剤の内服も行います。約1週間で水ぶくれが広がり、徐々にかさぶたになって2、3週間ほどで改善します。痛みは通常1カ月ほどで取れますが、まれに神経痛が長引くことがあります。単純ヘルペスとは違って9割以上の人は再発しませんが、数年経ってから再発することもあります。