2020/05/07
脂漏性皮膚炎は、紫外線や真菌(カビ)によって皮脂が脂肪酸に分解され、皮膚炎を起こすものです。皮脂分泌の多い脂漏部位つまり、頭皮、髪の生え際、まゆ毛、鼻のわき、耳の中、わきの下、胸と背中の中央部などが少し赤くなり、その上に脂っぽいかさぶたやフケのようなものが付着してきます。かゆみはある場合とない場合があります。頭皮の脂漏性皮膚炎が長引くと、脱毛が起こる場合もあります。
体質的に皮脂の分泌が多い人がなりやすく、女性より男性に多く、思春期以降にみられることが多いです。生後半年以下に発生するものは乳児脂漏性皮膚炎といい、母親の体内での女性ホルモンの影響で発生するものなので、多くは自然に改善します。
治療は、軽症の場合は抗真菌剤を使用します。中等症以上の場合はステロイド外用剤を使用します。また、かゆみに対して抗アレルギー剤内服、ビタミンの欠乏が影響している場合はビタミンB2、B6の内服なども行います。
体質的なもので再発しやすいため、日常生活から発症・悪化の要因を取り除くことも大切です。毎日洗髪し皮脂を取り除くこと、ビタミンB群の入っている食品を意欲的に取り、脂肪分や糖分、香辛料などは取りすぎないようにすること、規則正しい生活を心がけ、十分に睡眠をとることなどに気をつけましょう。