2020/05/07
円形脱毛症は、かゆみや痛みなどを感じることなく髪の毛が抜ける脱毛症です。原因は自己免疫と言われ、通常は細菌やウイルスに反応するリンパ球が自分の毛包を攻撃してしまって抜けます。なぜそういう免疫反応がおこるのかは、まだよくわかっていません。ある日突然髪が抜け始め、円形の脱毛斑ができます。自然に改善することもありますが、生えそろうのに1年以上かかることもありますし、脱毛斑がたくさんできたり、頭髪全体が抜けたり、あるいはまゆ毛や体毛など全身の毛が抜けることもあります。
典型的な円い脱毛斑の場合は診断が容易ですが、同じような症状をおこす別の脱毛症が疑われるとき、また円形脱毛症はまれに内科の病気を合併していることがあるため、血液検査を行う場合もあります。
単発型のものは自然に改善することがほとんどですが、改善するのを早めるために飲み薬や塗り薬を使用します。多発したり、頭髪全体・体毛全体が抜けて長期化する場合は、エキシマライトや局所注射などを行います。重症度や経過の長さによって治療方法は異なりますが、状態にあった治療を根気よく続けることが大切です。
また、バランスのとれた食事、頭皮のマッサージによって血行をよくすること、ストレスをためないで発散させることも大切です。抜けるストレスがさらに症状を悪化させることもあるため、かつらの使用や心のケアも大事な治療といえます。