2020/05/07
一般的に「しみ」と呼ばれているものには肝斑、雀卵斑、炎症後色素沈着、老人性色素斑、脂漏性角化症、光線性花弁状色素斑などさまざまな疾患があります。疾患によって原因も治療法も異なります。
肝斑:頬や鼻の下、額などに左右対称に広がるしみ。女性ホルモンなどによってメラニンを作る細胞が活性化されるためと考えられています。妊娠中、ピル服用中の女性にできやすく、紫外線やストレスにより悪化します。レーザー治療は余計に濃くなってしまう可能性が高いため、トラネキサム酸やビタミンCの内服、ハイドロキノンの外用が中心になります。ケミカルピーリングやイオン導入、ビタミンC誘導体配合のホームケアなどを一緒にしていただくことをご案内しています。
雀卵斑(そばかす):鼻を中心に小さな淡いしみが多数出ます。幼少時から出現し、思春期に目立つようになります。日本人では色白の人によく見られる遺伝性の疾患で、メラニンの産生が亢進しているためにおこります。ビタミンCのイオン導入やハイドロキノン外用、ケミカルピーリングをご提案しています。再発しやすいので、定期的な治療やビタミンC誘導体配合のホームケアをご検討ください。
炎症後色素沈着:かぶれやアトピー性皮膚炎、にきび、傷跡などの炎症が起こった後にできるしみです。炎症によって皮膚の深い所の真皮にメラニンが増えておこります。まずは、原因となっている炎症を早めに治療する必要があります。年月とともに薄くなることも多いですが、残ってしまうこともありますので、早期からのピーリングや外用薬治療をご検討ください。
老人性色素斑:顔、手の甲、前腕などよく日光に当たるところにできる濃い褐色の境界明瞭なしみです。長年の日光暴露によりメラニンの産生が増加して生じます。ケミカルピーリングやビタミンCのイオン導入、ハイドロキノン外用を行います。ビタミンC誘導体配合のホームケアをご検討ください。
脂漏性角化症:盛り上がりのあるしみです。初期はほくろや老人性色素斑のようですが、年月とともに隆起してきます。高周波メス(サージトロン)による蒸散をご検討ください。
光線性花弁状色素斑:強い日焼けを受けた人の肩から背中上部に小さなしみが多数できます。盛り上がりを伴うことが多いものです。高周波メス(サージトロン)による蒸散をご検討ください。