2020/05/07
手湿疹は主婦湿疹とも呼ばれ、合成洗剤で皮脂が失われることによる乾燥、手をよく使うなどの機械的刺激、その他の物質に対するかぶれが原因となっています。手を使う仕事の人、主婦、美容師、飲食業者などに多く、アトピー素因を持つひとに起こりやすい傾向があります。
手のひらには皮脂腺がないため、洗剤などによっていったん皮脂膜が流れてしまうと、新しく皮脂膜ができるまでには時間がかかります。そのため皮膚がカサカサになり、亀裂を生じるようになります。
いったん手湿疹を生じると、皮膚のバリア機能が失われ、いろんな物質に刺激反応やアレルギー反応を起こしやすくなってしまい、さらに症状が悪化します。壊れたバリアから真菌が入り込んで皮膚カンジダ症を併発する場合もあります。
また、見かけはおちついたように見えても約3カ月間はバリア機能が低下した状態となるため、少しの刺激で手湿疹が再発してしまいます。
したがって、外用薬による治療と同時に、日常生活において手の皮膚を守るよう意識していくことが大切です。水仕事や入浴の後は必ず保湿クリームを塗ること、水仕事の際は洗剤に直接触れないように手袋を着用するのがよいでしょう。水仕事だけでなく、シャンプー、衣類、紙なども刺激になりますので、それらに頻繁に触れる場合は、こまめに保湿クリームを塗るよう心がけましょう。保湿クリームは香料などの刺激成分が含まれていないものを使うようお勧めします。