2020/05/07
金属アレルギーとは、ピアスやネックレスなど金属製のアクセサリーや時計、ベルトのバックルなどが直接肌に触れた時に、その部分に一致してかゆみや赤み、水ぶくれができるものです。金属アレルギーは遅延型アレルギーによるもので、最初の数回はかぶれないのですが何度か触れているうちにアレルギーを獲得してしまい、以後は触れるたびに症状を繰り返します。症状が出るまでに時間がかかるため、金属が原因とは気付かないことも多いです。汗で微量に溶けだした金属がイオン化されて皮膚に入り込むため、夏は特に金属アレルギーの症状が出やすくなります。
金属はピアスや歯科金属などの金属製品だけではなく、皮革製品や陶磁器、紅茶、チョコレートなどにも含まれるため注意が必要です。かぶれの症状だけではなく、全身性の接触皮膚炎、口内炎、掌蹠膿疱症、扁平苔癬などを生じる場合もあります。ピアスを装着するたびにかゆくなるなど、アレルギーを疑う場合はパッチテストで確定診断を行う必要があります。金属パッチテストはテスト用に希釈された金属成分を背中や上腕内側に2日間貼って、皮膚の反応をみる検査です。
金属アレルギーの治療は、パッチテストで原因金属を特定し、その原因金属を除去することが中心になります。ピアスなどのアクセサリーは皮膚に直接触れさせないようにします。どうしても身につけたい場合は純チタンやプラスチック製のものを使用します。歯科金属が原因となっている場合は、歯の冠や詰め物を取り換える必要があり、その際は皮膚科の担当医と歯科医師の連携が重要です。
パッチテストは当院で行っておりますので、ご希望の方は受診してください。計3回は診察が必要となります。